導入事例

導入事例

新星出版社 様
フットワークの良さとデータの連携を評価
販売戦略などに活用

新星出版社様

新星出版社様

創立 1944年8月4日

従業員数 38名

所在地 東京都台東区台東4丁目7番6号

事業内容 書籍出版(各種資格試験問題集、コンピュータ関連図書、生活実用書、語学入門書)

実用書や資格試験出版物を中心に刊行している新星出版社は、今年8月に日販テクシードの「出版社システムLEAD」を導入した。従来システムとのデータ連携や、フットワークの良いサポート体制を評価したという。

年間刊行点数は約150点

新星出版社の年間刊行点数は約150点だが、このうち新規の企画は70点ほどで、後は年度版の改訂版などが占めている。これらの商品は、ISBNコードは違っても、常備や定番では前年度版と同じ商品と認識しなければならない。
また、資格試験ものなどは、改定時期をまたいだ旧年度版の受注は、新年度版で出荷するといった受注データの引き継ぎも必要になるといった特徴がある。

85年にオフコンを導入

従来は、1985年頃に導入したオフコンを使った基幹システムと、1994年に商品・書店マスタや販売データなどを管理するために独自開発した「Nova」(芳和システムデザイン)を利用してきた。
基幹システムは、取次管理、直販管理、印税・支払管理、出版VANなどの業務に利用し、「Nova」システムはウェブ上でマスタ管理、書店POS売上管理、製作管理、原価管理、在庫管理、書店受注・日報管理を行なってきたが、オフコンの部品の提供がなくなるために基幹システムのリプレイスが必要になったのを機会に、クライアントサーバーシステムへの切り替えを行うことにした。

事前の導入事例の情報なども提供

今年2月にシステム会社3社のプレゼンテーションを受けたが、この時の選定理由について、新星出版社営業本部営業管理部・小島誠部長は「システムの画面が見やすいとか、操作性のよさといったこともありましたが、フットワークを重視しました」と話す。
「当社はシステムの部署も専任の担当者もおりませんので、何かあったらシステム会社に対応してもらわなければなりません」(小島部長)という同社の要望に対して、「日販テクシードはプレゼンの前から営業の担当者が来てくれましたし、導入事例の情報提供もしてくれました」(同)という。実際に紹介された導入出版社を訪問したり、電話で問い合せたりすることができたという。
もうひとつ、同社が求めたのは、在庫と売り上げデータなどのスムースな連携だ。そのためには、在庫データや販売データを管理している「Nova」システムとの連携が必要になる。日販テクシードも「別のシステムなのでフォーマットも違いますし、結果の検証も難しいので少し苦労しました」(日販テクシード担当者)というが、芳和システムデザインとも検討を重ねて開発した。

情報はワンインプットで

3月には日販テクシードの「LEAD」システムに決定。取次管理、直販管理、印税・支払管理、出版VANのシステム導入に向けて4月から開発を開始、8月末に稼動した。
導入した端末は、営業本部7台、本社の経理部門に2台、埼玉県川口市の自社流通センター(約800坪)に5台の計14台。
オフコン時代は1台の端末で直販、見本伝票、印税計算などを行い、営業本部で受けた電話・FAXでの注文は転記してFAXで流通センターに送り、センターで入力していたが、今は電話を受けた時点で各担当者が入力するようにした。
「同じデータをいろいろなところで入力していた流れを、ひとつの情報はワンインプットで済ませるようにしたかったのです」と小島部長は話す。そうすることで、業務全体の効率化と、情報の精度向上を図ることができるからだ。

運用マニュアルを作成

ただ、データの入力を複数の人間が行うようになると、入力方法の統一が取りにくいといった問題も出てくる。「最初は苦労しました」という小島部長だが、システム的な問題や要望は一覧にして日販テクシードとやり取りしたほか、営業部門での運用については、稼働から2ヶ月後の11月には一通りの流れをマニュアル化できたという。
現時点では「日常の運用はスムースになりました。サポートもすぐに対応してくれているので、とてもありがたい。電話だけではなく、来てもらえています」という。

印税・支払いはカスタマイズ

印税・支払管理は比較的多くのカスタマイズが必要だったという。これは、同社の刊行物に年度版が多いことに起因する。
年度版の場合、新年度版に切り替われば、旧版は3ヶ月程度で市場から戻ってくるため、実売の確定が早い。そのため、発行印税ではなく、実売印税での支払いを行っているケースが多い。さらに、定期的な年度版と、不定期の改訂版が存在し、支払いの予定表も事前に作成する必要があったからだ。
また、日販テクシード担当者はシステムを作り上げる上で気づいた同社の特徴として、伝票枚数の多さをあげた。東京、九州、関西の拠点に30人の営業スタッフを置き、書店からの受注活動に力を入れているからだ。こうした受注は流通センターから取次に搬入するため、伝票が多くなるという。

データを使った戦略立案可能に

新システムの導入によって、「出荷情報とPOSデータを連動して、単品毎にいつどれだけ出荷して返品があるのかといった資料を、分析のシステムを使えば即時に出せるようになりました」と小島部長は述べる。
富永靖弘社長もこうしたデータを利用することで、「月次POSと出荷データをぶつけて翌月の販売戦略を立てるといったことが可能になったので、これからはいかに活用するかです」と話している。

(文化通信「bBB」 2010年11月22日第3912号より抜粋 ※この記事の著作権は文化通信社に属します)